4.大学提携
MC:さらに最上町では日本福祉大学と提携した地域福祉計画にも取り組まれているとのことですが、これについてお話いただけますか。
橋町長:これは私が大変評価したい、そして嬉しい効果のあるものでした。町民ニーズというものはいつも、あれもない、これもない、これもしてほしい、あれもしてほしい、という無い物ねだりが多いのです(笑)。それに対して無い物ねだりは駄目ですよ、といつも私は言っております。既にあるものに気付いて磨きをかける、そういう思いに立てば、もっともっと元気な町になるんだと言っているんです。この地域福祉計画をまとめるときは、まず全員にそれぞれの地域課題をひとつカードに書き下ろしてもらいました。いろいろな会議をしますと、いつも発言する人が決まってるのです、何々会長であったり、役職を持ってる方は、よくしゃべる訳です。勿論弁も立ちますし。でもおじいちゃん、おばあちゃんといった人前でしゃべるのが苦手な方も、私の地域課題はこうですよ、ああですよ、とカードに書いてもらったわけです。そして書いたカードをテーブルに広げると、これは行政にお願いしなくても、地域みんなでやれる課題でないか、ということが、何と4割以上出ました。これは町に頑張っていただきましょう、これは県から国から応援していただきましょうと、ここに気付きました。

▼日本福祉大学との協力による
地域福祉計画
自立の町として一番大事なことはですね、誰の町でもない、ここに住んでいる町民が、その気になるということです。ない物ねだりではなく、自分の住んでるところに誇りを持つ、まずみんなで助け合いましょうということが、この地域福祉計画をまとめる過程において大変芽生えたということ、これが大きいですね。最上町の誇れる財産です。これには陰に陽に日本福祉大学の先生や学生の検証やアドバイスが、今日の最上町を底上げしているといってもいいかと思います。
MC:この地域福祉計画は、最上町出身の当社社員の笠原さんも大学時代に関わっていました。具体的にはどんなことをされていたのでしょうか。
笠原(当社社員):住民の座談会というものを開きまして、各地域で学生と教授と、あと地域に住んでいらっしゃる住民の方とお話をしながら、自分たちの課題をテーブルにあげていって、グループ分けってい
うのをやっていきました。なかなかそういうふうな形をやろうとしても、住民の人たちどうしたらいいのかっていう風で、とまどってしまったり、そこでいい意見がでなかったりってありますので、そこでちょっとこうしたらっていうアドバイスをしながらですね、きっかけづくりというのが一番になるかと思います。これをやった、あれをやった、というのはないんですけど住民の人が、これ自分たちで出来るかもという発見が目の前で出た、というのが一番の成果じゃなかったかなと思います。
笠原補佐:地域福祉計画策定のきっかけは平成15年6月に合併をしないで当面自立をすることを決めたわけです。平成大合併の流れのなかでも合併をしないと。その一番大きな理由というのは、最上町が取り組んできたきめの細かい福祉サービスが後退するというのが一番困るんだ、という住民の方々の声が大きかった。合併するよりも最上町の資源といったものを生かして、住民と行政の協働による町づくりで乗り切った方がよいのではないかという声が大きかったことがあって、自立を選択しました。しかし自立の道を選んでもやっぱり財政が厳しいところは変わりませんし、これから高齢化社会がどんどん進んでいく、その対応についても大変だし、若者定住と少子化対策をどうして行けばいいのかという部分でも課題はいっぱいあったわけです。その課題を、住民と行政が一体となって解決していかなければならないのではないか、というところで、地域福祉計画がピッタリだったのです。
橋町長:モデル的な実施ではありますけど、10集落ありますから、これが飛び火してお互いに切磋琢磨の機運が出てきて、毎年区長連絡協議会という年二回ありますが、これまでは町長の講演であったり、行政からの一方的なもの、課題を一方的に会議におろすものだったけれども、去年あたりから各地域の集落からの取り組みを発表してもらう、そういう手法に変わってきました。