3.ウェルネスプラザ
MC:全国でも先進的な取り組みとして注目を集めている、最上町のウェルネスタウン構想とはどういったものでしょうか。
橋町長:先程も言いましたとおり、少子高齢化ということで、これから町の高齢化が予想されるという中で、今まで最上町を作ってきた高齢者が尊敬される社会でなければならないということで、何とか高齢者が安心して住める町づくりをしなきゃならないという考えがあったわけです。そんな中で町立病院の改築という話があったものですから、そういうなかで何とか将来を見越した施設をつくっていこうと、そうしたときに、やっぱり体だけの健康ではだめだと。これからは心の健康も必要だし、地域も元気になるような仕組みを作っていかなくちゃならない、ここに住んでよかったと思えるような地域づくりを進めていこうとなったわけです。たまたまウェルネスという言葉が病院の従事者の中から出てきたらしいんですけど、
造語らしいのですが、ウェルネス(Wellness)のウェル(Well)というのは英語であるわけですね、より良いの名詞化された造語で、ヘルスっていえば体の健康といわれているわけですけれども、もっと広い意味で、体の健康、心の健康、社会の健康にウェルネスという言葉がピッタリじゃないかと、社会全体、地域全体、町全体が元気に過ごせるようなかたちをつくっていこうというのがウェルネスタウン構想なのです。
そのウェルネスタウン構想の中心となるのがウェルネスプラザです。これからは地域包括ケアシステムを作ろうということで保健・福祉・医療が一つになった施設です。かつては、冬、高齢者の方が病院に入院して、病気を治療して家に返すんですね。ところが病気が治ったのに体が動かない、家庭でどういう処置をしたらいいのか分からない、というように家庭の介護っていう部分の指導がなかった。それで医療だけじゃなくて保健も一つにした形じゃないと、その高齢者の元気な姿をみることができない。そこで保健師さんはそれまで役場にいたのですけれども、健康センターというのを病院の中につくって、保健師さんを全部引き上げたのですね。そしてお医者さんと看護師さんと保健師さんがひとつになって、そのかわり保健師さんも一年間病棟を経験していただいたりして人事交流していただきながら、今度は保健師さんが家庭の部分で、患者さんのケアの部分を家族の方に指導していきます。同じように、今度は医療・保健だけじゃなくて福祉の部分、いろんな施設に入りたいとか、あるいは高齢者の福祉の部分ですとか、そういうのも一つにしないと、ということで健康センターに保健師さんと福祉関連の人にきてもらったわけですね。
さらに国民健康保険ですとか、介護保険・老人保健のなど医療保険を担当している部署も全部そっちにということで揃いながら、今では、たとえば一人の高齢者が入院するとすぐに、介護保険の認定を受けているかどうかであるとか、家庭に帰っても大丈夫なのか、大丈夫だとすれば少しリハビリが必要なの
かどうか、あるいは施設に入らなくちゃならないのか、という部分が本人あるいは家族の方と相談しながら、退院するまでにはある程度の方向がきまるというかたちになっています。家族の方があっちに手続きしに行ったり、こっちに手続きしに行ったりしないように、ここ一箇所で全てができるシステムというのがまさに地域包括ケアシステムなのだと思います。町民のカルテは一枚でいいということですね。