【ボブ・サップ医療を語る】
MC:サップさんはしばしば仕事で日本に来られていますが、日本とアメリカの医療の違いは感じられますか?
サップ:はい、個人的な体験から言いますと、非常に大きな違いがあります。一つは日本の薬の強さがアメリカの薬の強さと全然違うということです。アメリカの方が全然強いですね。一方、日本の薬は優しいと思います、いい意味でも悪い意味でも。
あとは日本の看護師さんや医師の先生方は、よく人間を診ていると思います。何が言いたいのかというと、ハンズ・オンな医療、つまり血の通った人間として温もりのある医療が受けられるということです。医師とちゃんと話ができるし、看護師のケアも大変手厚い、これには大変感心しております。これがアメリカだとアセンブリー・ラインつまり工場の生産ラインみたいなものです。はい、ここに並んで、通ったらそのまま出て下さい、という感じですから。やはりアメリカも日本もみたいにハンズ・オンというか看護師さんのフォローがよい、こういうやり方ができたら嬉しいと思います。
MC:去年2007年に世界的に話題になった映画にマイケル・ムーア監督の「Sicko(シッコ)」がありました。日本でも話題になりましたが、あれを見るとアメリカ医療は日本とはまた別の問題を抱えていることが分かり、大変ショッキングでした。
サップ:現在のアメリカのヘルスケア・システムというのは簡単に言うと、営利企業である保険会社がお金儲けを優先にして色々やっていますので、結局、保険会社としてはできるだけ患者にお金を出したくない・使いたくないという態度になってしまっているところが一番大きい問題ではないかと思います。その辺のやり方に関しては、お金を儲けるのではなく、まずは患者さんを大切にしてもらいたいですね。
もちろん、そのヘルスケア・システム自体が、そもそもは病気にかかっている人たちのために始まったものではありますが、結果的にはそのシステムが産み出したパワーの乱用や悪用をしている人が多すぎて、本当に病気にかかっていてお金のない人たちには、そのシステムの恩恵が回ってこないのが問題です。医療関係者一人一人は、お金を余計なことには使わずに、患者さんが病気にかかっているときにだけ使ってもらいたいですね。そうするともっとたくさんの患者さんが救われると思います。
MC:サップさんご自身は、今まで学生時代やアルバイトを含めて、医療関係の仕事をしたことはありますか?
サップ:ええ、ジョージア州アトランタにいた頃、医療保険会社で働いていたことがあります。そのときは保険の詳しい話を勉強させられました。また病院でアルバイトをしていたこともあります。
MC:それはいつ頃のことですか?
サップ:アトランタではWCWのプロレスラーをしていたのですが、結局その団体が潰れてしまい、その後もしばらくはアトランタにいて、これから何をしようかと考えていました。それで保険会社に入って仕事をしていた時期があったのです。
ペタス:そしてK−1にスカウトされたんだよね。
サップ:そうです、アリガト(笑)。
MC:まさに予想外の展開だったでしょうね。
サップ:ええ、当時はまさにアスリートとしてのキャ
リアが終わったのではないかと思っていましたから。体を道具として使うのはもうやめて、今度は頭を使ってまた何かやろうと思っていた頃でした。プランBという訳です。
MC:そして現在は皆さんがご存知の通り格闘家として活躍されているサップさんですが、やはりこれから40歳・50歳・60歳ともなると格闘技を続けていくのは難しい面もあるのではないでしょうか。自分が40歳・50歳になったときのイメージはありますか?
サップ:将来的には医学的調査や社会学を活かした研究をやってみたいという思いはあります。あとは今まで仕事がずっと忙しかったので、色々な趣味を活かしていくのも楽しみにしております。
MC:趣味とは何でしょうか?
サップ:アニマル・トレーナーです。イヌやネコなど動物の調教にとても興味があります。
MC:ご自身で動物も飼われているのですか?
サップ:ええ、家にはネコが4匹。そしてイヌが2匹います。
ペタス:彼のネコ知ってます? 普通じゃないですよ。体重が25kgもあるんですから。
サップ:野生のネコと野生のイヌも1匹ずついます。野生というのは動物園からそのまま持ってきたという意味です。今その野生のネコと飼いネコのブリーディングをやっているのですが、そうすると物凄く大きいネコができるのです。そういうことにも興味がありますね。